俺は葉が舞い落ちる道を歩いていた。
「ごめんね、彼方にはきっと、もっと良い人がいるから」
俺がついさっき言われた言葉、
精一杯の告白だった、あいつも幼馴染で俺の事を好きだと思っていた。
でも、それはだだの己惚れにしかすぎなかった、
俺はふられた・・・
ただ、枯葉が舞い落ちる道を歩く、
涙が毀れない様に上を向いて・・・
ゆらゆらと舞い落ちる枯葉・・・
その一枚が俺の顔に舞い降りてきた。
小さな葉、枯れてしまって落ちてきた葉、
それを見ていると自分を見ているような気がした。
「何、泣いてるの?」
何処からか声が聞こえる、周りを見渡してみるが誰もいない。
「何、泣いてるの?」
声は俺が持ってる枯葉から聞こえてくる、
「何、泣いてるの?」
枯葉の裏から小さな女の子が顔を覗かせて俺に問いかけて来る
驚いて声も出ない、枯葉に隠れるような、俺の指と同じ大きさの女の子がそこにいから。
「何、泣いてるの?」
驚いていると、また、俺に問いかけて来る
「大丈夫?何か悲しい事があったの?」
小さな女の子は枯葉の裏から顔を覗かせて聞いてくる。
頭を振ったり、瞬きをしたりして確かめてみるがそこには確かに枯葉の裏から顔を覗かせている小さな女の子がいる
「どうしたの?」
俺の行動が気になったのか女の子は問いかけてくる
「・・・いや・・・その・・・そうか!これは夢なんだな!」
そうだ、俺は夢を見てるに違いない、目が覚めたらきっと暖かい布団の中にいるに違いない
そう、さっきふられたのもきっと夢・・・
俺がそんな事を考えていると、
「夢じゃないよ?泣いてるの見たら気になったんだよ」
その女の子は俺の考えを思いっきり否定してくれた。
「本当は人前に出ちゃ駄目なの、でも、泣いてるのが気になって」
女の子を見る・・・俺の親指ほどのサイズで羽根?背中に羽根がついている、
それもただの羽根じゃない、枯葉が背中にくっついて羽根になっている。
「何、泣いてるの?ボクでよかったら聞くよ」
ボク、どうやらその子の一人称はボクらしい、
俺は突然な出来事に錯乱し、訳の分らない事を考えていた。
今日の晩御飯は何かとか、明日は何をしようか、とかを。
「ん?どうしたの?」
枯葉の裏からまた、俺に聞いてくる、
誰でも良かったのかもしれない、
ただ、話を聞いて欲しかっただけかもしれない、
俺はその小さな女の子についさっきの事を話しだした。
幼馴染の事、自分の事、自分の気持ちの事、さっきの告白の事、ふられた事を・・・
「そうなんだ・・・ふられちゃったから泣いてたんだ」
全てを話した後、その子は枯葉の裏から出てきてふわふわと俺の周りを飛び出した。
「なら、その子との仲、ボクがなんとかしてあげる」
笑顔、幼馴染のあいつに似た笑顔を俺に見せてくれる
「ボクの名前は秋佳(しゅうか)、これでも秋の精霊なんだよ」
秋佳の笑顔を見て落ちついた俺は自己紹介をしていない事に改めて気がつく、
「俺は藤崎 祐二(ふじさき ゆうじ)宜しくな」
小さな秋佳に俺は手を出して握手をする、
「ボクの方こそ宜しくだよ」
俺の指先を秋佳がその、小さな手で握ってくる、
小さいながら暖かい手・・・
何故だろうか、俺はさっきふられた事を殆ど忘れていた。