朝日が俺の顔にあたる・・・もう、朝か
目を開けるといつもの部屋ではなかった。
そうか、昨日は川上家に泊まったんだった
俺は水を飲むためにキッチンへと向かった
「ああ、章弘さん、おはよう、昨日は良く眠れましたか」
キッチンに入ると幸也さんが朝ご飯の用意をしていた
「ええ、ぐっすりと眠れましたよ・・・水、貰えますか?」
一応、俺は客として扱われているみたいだ
「さて、章弘さん、優美を起こしてきてもらえませんか?」
幸也さんは水を差し出しながら俺に言う・・・お、起こすって、寝てる所に行けと!
「ええ、で、どこにいるんですか?」
俺は無意識にそう答えていた
「ああ、みんな俺の部屋で寝てます」
それだけを聞くと俺は幸也さんの部屋へ向かって歩いていった
部屋に入ると2人の女の子が寝ていた、一人は優美、もう一人は夏海ちゃん、
俺はベットに寝ている優美を起こそうと近づく
「優美、朝だぞ、起きろ」
優しく優美の体を揺さぶりながら言う
「う、う〜ん、あーちゃん・・・」
寝言で俺の名前を呼ぶ優美、
(か、可愛い)
俺は暫く優美の寝顔に魅入っていた
「章弘さん、ご飯出来たけど」
俺が優美の寝顔に魅入っているとご飯を作り終えた幸也さんが呼びに来てしまった
「あ、はい、中々起きませんね」
まったく起こす気はなかったのだが
「やはりそうですか・・・後は俺が起こしますから章弘さんは先に向こうへ行っていてください」
幸也さんに言われるまま、俺は料理が並べられている部屋へ行った
間もなくして幸也さんが戻ってきた、その後に優美達も部屋に集まる
「今日は何時ぐらいに帰るんですか?」
朝食を食べていると幸也さんが俺に聞いてくる
「あ、今日は昼過ぎには帰ろうかと」
俺は口に入っている物を飲みこみ幸也さんに言う
「そうか、なら優美、今日は章弘さんに町を案内しろ」
優美に向かって言う幸也さん
「うん、私もそのつもりだよ」
どうやら話はついたようだ
朝食を食べ、俺と優美は街へ歩いていった
商店街、海、神社、寺、小高い丘
この街を案内しながら思い出を話す優美、そして
「もう、昼だな・・・ちょうど駅前だし、俺、もう、帰るよ」
ちょうど駅前の公園に着いた時、俺は優美に言った
「あ、そうなんだ、だったら改札まで見送るよ」
俺と優美は駅の中へと入っていった
切符を買い改札まで行く、俺達二人はその間、無言だった
改札をくぐろうとした時だった
「あーちゃん」
優美に呼ばれ振り向く、すると
「お別れのキスだよ」
そう言って優美は俺にキスをした、優美の香りが、温もりが・・・
ゆっくりと離れる優美
「あーちゃん、きっと、きっとまた来てね、私も会いに行くから」
少し涙目で言う優美
そう、また会えるんだ、いや、会いに来るんだ、だから、だから・・・
「きっとまた、会いに来るよ、幸也さんや夏海ちゃん、そして・・・優美に」
俺は誓った、もう離さないってだから
「繋いだ手は離れるけど、俺達の絆はほどけないから」
優美を見つめて言う
「うん、分かった、あーちゃん愛してるよ」
優美が抱きついて来る、俺はその温もりを忘れないよう、しっかりと優美を抱きしめた
改札をくぐりホームへ、そして電車に乗りこむ
俺はこの街が好きだ優美が住んでいるこの街が
だから、だから、きっと帰って来よう絶対に・・・