夕焼けが終わり空は闇に包まれている
街の光と星の光だけが見える、俺達はそんな闇の中、ずっと寄り添っていた
無言で、二人で寄り添って、ただ、星を見ていた
「ねえ、あーちゃん、今日、家においでよ、みんなに・・・その・・・」
何故か言葉に詰まる優美、俺は優美の次の言葉を待つ
「えっと・・・私の彼氏、紹介したいから、急にだけど・・・駄目?」
優美の言葉に少し驚く、でも、俺も優美の家族を見てみたい、だから
「ああ、そうだな、優美の家に行くか」
俺はそう言うとその場を立ち、優美に手を差し出す
「うん、じゃあ行こ」
優美は俺の手をとり立ちあがり歩き出す
優美の後について俺も歩き出す、優美の家に向かってゆっくりと
「ここが私の家だよ」
優美が足を止め一軒の家を指す、普通の家だ・・・いや、豪邸に住まれてても困るのだが
家の中に入っていく優美、俺も後につづいた
家に入るとソファーまで案内された・・・しかし静かだ、誰もいないのか?
「ちょっと待っててね、今、お兄ちゃん呼んでくるから」
優美はそう言って階段を上がっていった・・・そうか、「あの人」がいたんだな
俺はそわそわしながら座っていた、やはり落ち着かない
部屋を見まわしていると階段を降りてくる音が聞こえた・・・
部屋のドアが開きまず優美が入って来る、そして「あの人」も後から入って来た
一瞬、俺の方を見たがそのまま部屋の奥へと歩いていった
「ごめんね、お兄ちゃんいつもああだから」
必死で幸也さんの事をフォローする優美、そんな事をしていると奥から幸也さんが戻ってきた
「えっと、あの、俺、佐藤 章弘って言います、何時もチャットで会ってますよね」
一応自己紹介をする
「ああ、俺は川上 幸也、チャットでお世話になってるね」
チャットとは違い冷たい喋りで幸也さんが自己紹介をする
「あ、それと、優美さんの彼氏です、宜しくお願いします」
かなり緊張する
「優美、自分の彼氏ぐらいコーヒーを出しておけよ」
幸也さんはおぼんに乗っているコーヒーを俺の前に置きながらそう言った
?彼氏、確かに彼氏って言ったよな?
「あ、ごめん・・・お兄ちゃん、私、着替えてくるね」
どうやら気を利かせたらしいが・・・重い、沈黙がかなり重い・・・
「章弘さん、優美はどうですか?可愛いでしょ」
沈黙をやぶって話だしたのは幸也さんだった
「え、ええ、可愛いですね」
緊張して言葉が出てこない
「そんなに緊張しなくて良いですよ、チャットみたいに喋れば良いですよ」
幸也さんはそう言うがやはり緊張する
「さて、君に一つ、言っておく事がある」
俺はその時
(とうとうきたか、何発殴られるかな・・・)
そう思いながら幸也さんの次の言葉を待つ
「章弘さん、妹と付き合うのはお互い本当に好きあっているのなら構わない」
真剣な顔で言う幸也さん、本当に優美の事を心配しているのが分かる
「でも、もし優美を泣かすような事をしたら、その時は・・・分かってますね」
今までの言葉にも迫力があったが最後の「分かってますね」には今まで以上に迫力があった
でも、俺は優美と約束した、もう、離さないって、だから
「分かってます、優美は絶対泣かせませんよ、たとえ何があろうと・・・」
俺は何があろうと優美を泣かせない、絶対に
「そうか、君になら任せられそうだな、優美を任せるよ」
幸也さんがそう言うと優美が戻ってきた
「さて、章弘さん、今日は遅いから泊まって行くといい」
幸也さんはそう言うとまた、奥へ消えた
階段を降りてくる音が聞こえる、そして
「あ〜、この人がお姉ちゃんの彼氏だね」
元気な女の子、多分この子は夏海ちゃんだろう
「はじめまして、夏海と言います」
丁寧に挨拶をする夏海ちゃん、俺もつられて挨拶をする
「あ、章弘と言います、宜しく」
挨拶が終わると幸也さんが料理を持って来た
俺達は雑談を交わしながら料理を食べる、最初は緊張したが話ている内に打ち解けていった
「章弘さん、客間に布団を用意してるから」
幸也さんの言う通り客間に案内され、俺は布団の上に倒れこむ
(ふう、今日は疲れたな、色々あったけど、幸也さんも夏海ちゃんも良い人でよかった)
そんな事を考えていると眠気が襲ってくる
俺は抵抗する事無く深い眠りに落ちていった・・・