夕焼けに近い、でも、夕焼けではない、そんな空の下
俺と優美ちゃんの二人は歩いて行く、夕焼けが綺麗だと優美ちゃんが言う場所へ
「とっても綺麗なんだよ、あーちゃんもきっと気に入るよ」
そう言って俺の横を歩く優美ちゃん、こうして見ると本当に年上なのかと思うほど小さく見えた
「優美ちゃん、寒くないかな?寒かったら上着、貸してあげるよ?」
見てみると優美ちゃんは結構薄着をしていた、昼間は結構、暖かかったからな、
「へへへ、大丈夫だよあーちゃんこそ寒くない?」
自分の方が薄着をしているのに俺の心配をしてくれる優美ちゃん・・・
俺はこの子に一体何をしてあげられるのだろうか・・・
そんな事を考えていると
「あーちゃん、あの神社だよ」
と、優美ちゃんの声が聞こえた、
優美ちゃんが見ている方を見ると高台に小さな神社が建っていた
(神森神社)
そう鳥居に彫られている、その鳥居をくぐりゆっくりと階段を上っていく
長い階段を上がり終えると、空は夕焼けに染まっていた・・・
「こっちだよ、こっちから見る夕焼けが一番綺麗なんだよ」
優美ちゃんはそう言って神社の裏の方へ歩いて行く、俺もその後に続く
神社の裏に回ると綺麗な夕焼けと夕焼けに染まった町が見渡せた
「ね?綺麗でしょ?」
優美ちゃんの言葉通り、とっても綺麗で、そして悲しく見えた
ふと、優美ちゃんを見る、風に髪がなびき夕焼けに染まった横顔・・・
「綺麗だ」
俺は心からそう思った
「でしょ、とっても綺麗」
俺の言葉の意味を知らず優美ちゃんは言う
今なら、この場所なら、あの言葉を言える・・・俺はそう思った
「優美ちゃん、話があるんだけど」
俺は優美ちゃんの方へ向き真剣な顔で言う
「?何かな?話って」
無邪気な顔で聞いてくる優美ちゃん、一瞬、言っていいのか迷ってしまった・・・
(でも、ここで言わなければずっと言えないままだ)
俺は迷いを捨て、優美ちゃんへこの気持ちを打ち明ける事にした
「優美ちゃん、一回しか言わないからね」
きょとんとした顔でこちらを見る
そんな顔で見られると言いづらい・・・でも、もう後には引けない!
「えっと、俺、優美ちゃんの事が好きなんだ、もし、もしよかったら、俺と付き合ってくれないかな?」
一気に言葉を言う、優美ちゃんはまだきょとんとしている、そして・・・
「酷いよ」
その言葉に俺は驚いた、告白しただけなのに酷いって・・・
「せっかく、私から言おうと思ってたのに先に言っちゃうなんて・・・酷いよ」
俺は自分の耳を疑った、先に言おうとしていた、それって・・・
「私も、私もあーちゃんの事、好きだよ、ずっと前から好きだったんだよ」
「あーちゃん、私の事、優美って呼んで、そして、約束して、もう、離さないって」
俺は頷きゆっくりと言葉を言う
「もう、離さないよ、優美」
ゆっくりと俺も顔を近づける、そして・・・
夕焼けが綺麗で、かさなる唇、は温かくてそして何故か懐かしかった・・・
ゆっくりと離れる唇、温かさは夜の風に流されてしまったけど、俺達は確かにキスをした・・・